蓄電池の価格相場はどのぐらい?事業者用と住宅用の違いも解説


蓄電池を導入したいから、価格相場が知りたい!
電気料金がなかなか下がらない中、電気を効率的に利用できる蓄電池の注目度が高まっています。
蓄電池なら電気料金を抑えるだけではなく、環境への配慮や停電時の電力供給などメリットは多彩です。
しかし、初期費用が高そう…と考えて導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、蓄電池の価格相場を中心に紹介していきます。
ご家庭に蓄電池の設置を検討している方、事務所等に導入を検討している企業担当者の方はぜひ参考にしてください。
蓄電池の価格は何で決まる?見るべきポイントや費用相場の目安を解説


蓄電池には種類がいくつかあるため、価格にも幅があります。
具体的にどのような要素で価格が異なっているのか、代表的な3つについて見てみましょう。
種類 | 蓄電池は主にリチウムイオン型と鉛蓄電池型の2種類があります。一般的にリチウムイオン型の方が寿命は長いなどのメリットがありますが、鉛蓄電池型よりも高価です。 |
---|---|
容量 | 蓄電池の容量とは、電気を貯められる量のことです。容量が大きいほど多くの電気を貯められますが、価格は高くなるのが一般的です。 |
性能 | 蓄電池はそれぞれの製品によって仕様が異なっており、そのため効率や寿命などの性能にも差があります。具体的には「充放電回数」「充放電効率」などの指標が高いほど高性能となり、価格は高くなります。 |
蓄電池の価格は主に「種類」「容量」「性能」により分類分けできます。
このほか、メーカーが直販する場合と、代理店を経由して導入する場合などで販売価格に差が出ることもあります。
なお、経済産業省の資料によると蓄電池の価格水準は、住宅用蓄電システムが11.1万円/kWh(2023年度)で、工事費を含む場合は12.1万円/kWhと推計されています(※1)。
一方、事業用蓄電システムは16.5万円/kWh(2019年度)で、工事費を含む場合は24.2万円/kWhと推計されています(※2)。
参考:(※1)経産省|2024年度 第4回 定置用蓄電システム普及拡大検討会 資料5-1「家庭用及び業務・産業用蓄電システムに関する課題整理」(p6)
(※2)経産省|第4回 定置用蓄電システム普及拡大検討会 資料4「家庭用及び業務・産業用蓄電システムに関する課題整理」(p26)
蓄電池の事業者用と住宅用の違いは容量の大きさなど


蓄電池は主に事業者用と住宅用に分かれますが、主な違いは容量や出力、設置場所などです。
以下の表は、その違いについてまとめたものです。
項目 | 事業者用蓄電池 | 住宅用蓄電池 |
---|---|---|
容量 | 数百kWh以上 | 数kWh〜数十kWh程度 |
出力 | 数十kWh程度以上 | 数kWh程度 |
利用される場所 | オフィス、工場、公共施設、商業施設、など | 住宅、小規模店舗、など |
設置場所 | 蓄電池のサイズや容量に応じて広いスペースが必要 | コンパクトサイズなら、1m×1m×1m以内のスペースでも可能 |
蓄電池の事業者用は規模に幅があります。
大規模な工場や商業施設などには大きな容量のものが必要ですが、従業員が数人程度の事務所で蓄電池を活用する場合は、住宅用の蓄電池を導入することも少なくありません。
どのぐらいの発電量があるのかをチェックしてから検討するようにしましょう。
事業者用蓄電池には産業用と系統用がある


事業者が蓄電池を導入する目的として考えられるのは、貯めた電気を特定の設備で使用する場合や太陽光発電設備に付設して充放電する場合などです。
これらに加えて2022年から可能になったのが、電力系統に蓄電池を接続して充放電を行うことです。
この際に使用する蓄電池を「系統用蓄電池」と呼びます。
発電設備からではなく、この電力系統から電気を充電し、必要に応じて系統に放電する仕組みを指します。
一般的に産業用蓄電池の容量は数十kWhから数MWh台、系統用蓄電池の容量は数十MWhから数百MWh台が目安です。
産業用は工場やオフィスビルなど、系統用は主に電力会社や配電事業者で導入されます。
住宅用蓄電池は電気代節約や災害時に特に役立つ


そもそも電気とは、電子の流れのことで、常に移動しているため貯められないという性質があります。
そのため、電力会社の発電所では、必要とされる量の電気を作って送電する仕組みになっています。
その仕組みを活用しているのが蓄電池です。この蓄電池が家庭にあると、以下のようなメリットがあります。
- 電気料金の削減につながる
- 停電時でも電力供給が可能
- 地球にやさしい生活ができる
以下で詳しく解説していきます。
電気料金の削減


蓄電池を導入することで電気料金を削減することが可能です。
なぜなら、夜間など電気料金が安い時間帯の電気を貯めておくことで、電気代が高い時間の利用に充てることができるからです。
例えば、昼間の電気料金が40円/kWhで、夜間の電気料金が20円/kWhとした場合、夜間に蓄電した電気を日中に使うことで電気料金を半分にできます。
太陽が出ている日中に発電して蓄電しておくことで、夜間でも太陽光発電設備で発電した電気を使えます。
夜間の電気使用量も抑制されるため、太陽光発電との同時導入がおすすめです。
停電時でも電力供給が可能


昨今、身の回りには電気によって動くものが多くなっています。
携帯電話をはじめ、冷蔵庫や冷暖房、電子レンジ、テレビ、パソコンなど、生活に必要なものの多くが電気を使用して動きます。
そのため停電が発生した場合、生活に必要な家電製品が全く使えない状態になります。
「災害時の電源確保と電力安定供給への新しい流れ」(2020年12月15日国土交通省基本政策懇談会、東京都市大学名誉教授 中川聡子)によると、日本における1軒あたりの停電回数は年間0.3件で、時間にすると年間225分です。
しかし大規模災害が発生する場合は影響が大きくなり、2018年に北海道で起きた胆振東部地震によるブラックアウトは約50時間後、台風21号による関西地域での停電は約120時間後、2019年に起きた台風19号による千葉県での停電は約280時間後と、解消までにかなり長い時間を要します。
大きな災害時は特に蓄電池が大活躍します。
貯めていた電気を停電した際に活用できることはもちろん、太陽光発電設備と接続されていれば継続して電気を使うことが可能です。
工場や事務所、介護施設など電気が止まることで仕事の流れも止まってしまうような環境では、太陽光発電と蓄電池のセットで導入を検討する企業が多くあります。
地球にやさしい生活ができる


蓄電池を導入することで、地球環境に配慮でき、企業アピールとなることもメリットの一つです。
夜間電力を需要の多い日中に利用することで、電力需要のピークシフトにも貢献できます。
また太陽光発電設備と組み合わせることで、電力の自家消費がより一層効率化できます。
蓄電池の寿命は種類により異なる


蓄電池の寿命は一般的に10年〜15年程度と言われますが、種類によって異なります。
以下の表は、蓄電池の種類と使用期間、サイクル回数をまとめたものです。
種類 | 使用期間 | サイクル数 |
---|---|---|
鉛蓄電池 | 3〜15年 | 500~3,000回 |
ナトリウム硫黄電池 | 15年 | 4,500回 |
ニッケル水素電池 | 5年 | 2,000回 |
リチウムイオン電池(液体) | 10〜15年 | 6,000~12,000回 |
リチウムイオン電池(半個体) | 12,000~20,000回 |
蓄電池を長持ちさせるには、「点検やメンテナンスを適切に行う」「動作に適した場所に設置する」「過充電や過放電をしない」など、使い方のポイントも把握しておくようにしましょう。
蓄電池を安く導入したいなら補助金を活用する


蓄電池を導入する際に懸念事項になりやすいのが初期費用です。
容量にもよりますが、本体だけで数十万円〜数百万円、数千万円などの資金が必要です。
しかし、国や自治体では蓄電池を導入する際に利用できる補助金を用意しています。
補助金が交付されると、初期費用が抑えられます。
蓄電池の場合、sii(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が主導している「DR補助金」の利用が可能です。
また以下は、自治体が用意している補助金の一例です。
自治体 | 補助金名 |
---|---|
兵庫県姫路市 | 姫路市家庭用蓄電システム普及促進事業 |
兵庫県明石市 | 明石市家庭用脱炭素化設備導入支援事業 |
千葉県市川市 | 市川市スマートハウス関連設備導入費補助金 |
宮城県仙台市 | 住宅用初期費用ゼロ太陽光発電システム導入事業 |
福岡県福岡市 | 住宅用エネルギーシステム導入支援事業 |
このように各自治体では蓄電池を導入する際に利用できる補助金制度を設けています。
ただし、自治体によっては用意されないケースもあり、蓄電池単独ではなく太陽光発電設備と同時に設置することが義務付けられている場合があります。
蓄電池を太陽光発電設備と一緒に導入したいならリープトンエナジーがおすすめ


蓄電池をより効率的に利用したい場合は、太陽電池モジュールなどとの相性を確認することが重要です。
メーカーが異なるとメンテナンスや点検を異なる業者に依頼する必要があるほか、製品同士の相性の良し悪しもあるからです。そのため、蓄電池を太陽光発電設備と同時設置する場合は、太陽光発電と蓄電池の導入に関して実績のある業者に依頼しましょう。
リープトンエナジーでは、より最適に太陽光発電設備と蓄電池が活用できるよう、蓄電池を含めたトータルでのシステムご提案を行っています。
中でも住宅用蓄電池を設置する際は、パネルとパワーコンディショナー、蓄電池がワンセットになった「LCasa(エルカーサ)」がおススメです。


リープトンエナジーの太陽電池モジュールと、信頼性が高い国内メーカーの蓄電池や機器類をワンセットにしており、〝発電する〟だけではなく〝つくる〟と〝貯める〟仕組みをトータルで構築します。
まとめ


今回の記事では、蓄電池の平均的な導入コストを紹介したほか、導入費用を削減するための補助金制度などについても解説しました。
蓄電池は停電が発生した際にも電気の利用が継続できるため、住宅用の場合は生活の質の保持、事業用の場合は事業の継続に役立てることができます。
また、太陽光発電設備は、蓄電池を同時に導入することでその効果はさらに高まります。
蓄電池単体の導入コストは、利用目的や必要な容量によって価格が大きく異なりますが、太陽光発電の導入工事と合わせることでトータルコストを下げることも考えられるでしょう。



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