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【猛暑】真夏の太陽光発電所の高温対策は?気温と発電量の関係を調査

夏の太陽光発電所の高温対策についてまとめた記事のアイキャッチ画像

太陽光発電は、太陽光が降り注ぐ夏こそ発電量が多くなると考える方が多いのではないでしょうか。

しかし、真夏だから太陽光発電の発電量が増えるというのは違います。
太陽電池モジュールは高温に弱く、暑い日は発電効率が落ちてしまうからです。

そこで本記事では、太陽光発電と気温との間にどのような関係があるのか解説します。

気温が上昇する夏の対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

太陽光発電は気温が高くなりすぎると発電量が下がる【真夏は注意】

地球温暖化の影響により、日本各地では真夏日や猛暑日が増えています。

太陽光発電にとって太陽が燦々と降り注ぐのは好都合と思いきや、実は気温が上昇すると発電量は反対に下がるという性質があります。

以下は、環境省が公表している「太陽光発電システムの月別発電量・売電量(使用世帯当たり)」(令和4年度)から抜粋した月別の発電量です。

太陽光発電システムの月別発電量をまとめたグラフ
詳細
発電量(kWh)
2022年4月522kWh
2022年5月514kWh
2022年6月500kWh
2022年7月444kWh
2022年8月503kWh
2022年9月403kWh
2022年10月439kWh
2022年11月378kWh
2022年12月314kWh
2023年1月328kWh
2023年2月353kWh
2023年3月475kWh

抜粋:環境省「太陽光発電システムの月別発電量・売電量(使用世帯当たり)」(令和4年度)

一般的に日照時間が長いほど発電効率が良く発電量が増えます。そのため、春から夏にかけて発電量が大きくなります。これは家庭用も事業用も同様です。

しかし、気温が暑くなると発電量が低下していく様子が上記の表から伺えます。気温が上昇することで発電効率が下がっているのです。

太陽光発電の発電量が下がる原因に高温が関わっている

太陽光発電システムの発電量は、外的・内的要因の影響を受けます。

代表的なのは地理的要因と天候要因です。

地理的要因とは、太陽光発電設備の所在地による発電量の違いです。一般的に日照時間が長い地域ほど発電量は大きくなります。

下記は、都道府県庁所在地別の年間発電量をまとめた表です。

太陽光発電の地域別年間発電量をまとめたグラフ
詳細
都道府県庁所在自治体建物系(戸建住宅等以外)・土地系(ため池以外)単位:kWh/(kW・年)
札幌市1,206
秋田市1,110
千葉市1,333
新宿区1,322
新潟市1,145
甲府市1,494
名古屋市1,363
大阪市1,327
広島市1,323
松山市1,324
福岡市1,223
那覇市1,241

抜粋:「令和3年度 再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び 提供方策検討等 調査委託業務報告書」(株式会社エックス都市研究所、アジア航測株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社)P115表 3.2.1-18 各都道府県の県庁所在地における地域別発電量係数

年間発電量が最も少ないのは秋田市で、最も多いのは甲府市です。

日本海側は年間発電量が少なく、標高が高い地域は年間発電量が多いといった傾向があり、このように地域によって発電量が異なるのです。

もう一つの主要因は天候です。特に太陽光発電設備の発電効率は25℃が最も効率的と言われ、前項で紹介したように気温が上昇すると発電効率は低下します。

その割合は、25℃から1℃上昇するごとに、発電量は0.5%程度低下していくと言われています。

このほか、ゲリラ雷雨や台風、積乱雲なども太陽光発電の発電量に影響を与えます。

太陽光発電に最も適している気温は25℃

太陽光発電にぴったりな気温は25度

太陽光発電が最も適している気温は25℃と言われますが、これは太陽電池モジュール内にある半導体が高温に強くないからです。

電流を流す役割を持つ電荷キャリアが移動する際、高温時は抵抗が増加してしまうのです。

半導体とは電気を通す物体のことで、太陽光パネルに用いられている半導体は主にシリコンでできています。

特に広く導入されている結晶シリコン系の太陽光パネルは、気温による影響が大きいと言われています。

また、ここで注意したいのは25℃とは外気温ではなく、パネルの表面温度であることです。

外気温が30℃を超える真夏日の場合、表面温度は最大で70〜80℃に達していると考えられます。

25℃よりも1度上昇するたびに発電量は0.5%程度低下するため、真夏日は30%近くも発電量が低下していると考えられます。

太陽光発電の発電量を上げる方法3選!気温が高い季節も安心

太陽光発電に日差しが当たる様子の画像

真夏の暑さによって太陽光発電の効率が低下する理由を把握したところで、気温が高い季節でも発電量を上げるための方法を紹介します。

太陽電池モジュールの設置角度や方角を最適なもので設計する

太陽光発電の発電効率を上げる架台の角度の写真

太陽電池モジュールは、太陽光をどのように受けるかによっても発電量に差が出てきます。

日本では通常、太陽電池モジュールを30度前後に設置しますが、地点によって最適傾斜角は異なります。

そのため、地域の特性や周辺の環境などに合わせて角度や方角を判断し、年間を通じて効率的に発電できるように設計・設置しましょう。

参考:設置方位や設置角度の影響はありますか?|太陽光発電協会(JPEA)

メンテナンスや点検を定期的に行う

太陽光発電のメンテナンスの様子の画像

屋外に設置される太陽電池モジュールは、雨や土ボコリなどによって表面が汚れやすい設置条件にあります。

表面がガラスなので多少の汚れは雨で流れていきますが、鳥のフンや花粉、黄砂、枯れ葉など水では落ちにくい汚れが付着しているケースもあります。

もちろん汚れがあれば太陽光をすべて受けることができないため、発電効率は低下します。

特に夏の前には梅雨があり、気温上昇とともに頻繁にゲリラ雷雨が発生する地域もあります。

夏が来る前に、汚れを落とすことを含めてメンテナンスを行うことがおすすめです。

なお、出力容量が50kW以上の太陽電池モジュールは半年に1回の点検が義務付けられています。

強風にあおられたり、落下物などによって損傷しているケースも少なくありません。

その場合も発電効率が低下するため、定期点検の際に確認して必要に応じて修復しておきましょう。

発電効率が高い太陽電池モジュールを使用する

高温対策として有効なのは、発電効率が高い太陽電池モジュールを導入することです。

太陽光発電設備が暑さに弱いのは、太陽電池モジュール内の半導体に用いられているシリコンが要因です。

そのため、太陽電池モジュールに使用されているシリコンの特徴も把握しておきましょう。

太陽電池モジュールに使用されているシリコンは一般的に4種類あり、それぞれに以下のような特徴があります。

シリコンの種類耐熱性
単結晶耐熱性が低い
多結晶耐熱性が低い
アモルファス耐熱性が高い
HIT(単結晶とアモルファスを積層)耐熱性が高い

気温上昇による発電効率の低下が気になる場合は、特にアモルファスやHITを用いている太陽電池モジュールがおすすめです。

また、化合物系や有機物系などシリコンを使用していない太陽電池モジュールもあります。

リープトンエナジーの太陽電池モジュールは、新しい回路設計のN-typeセルにより高い発電効率を実現しているパネルです。

出力保証も30年と長く、夏の高温が心配される地域では、これらの高温に強い素材の太陽電池モジュールも検討してください。

夏場の太陽光発電所での作業は危険!おすすめの熱中症対策を解説

太陽光発電で気を付けるべき熱中症の画像

屋根の上に設置している太陽光発電は、遮熱効果によって屋内の気温を下げます。

しかしその一方で、メンテナンスや点検などに従事する職種の人にとって、真夏は注意が必要です。

太陽電池モジュールの表面温度は80℃近くなるからです。

そこで、おすすめの熱中症対策についても紹介します。

水分を取り日陰でこまめに休憩する

水分補給の写真

熱中症を防ぐには水分補給が重要ですが、それは暑くなると一度にたくさんの汗をかいてしまい、体内の水分が失われてしまうからです。

そのため血液の循環が悪くなり、体温調節機能が低下してしまいます。

さらに脱水症状や筋肉の痙攣、脳梗塞や心筋梗塞が起きることもあるため、水分補給が欠かせないのです。

水分は一度にたくさん摂るよりも、こまめに少しずつ摂るようにしましょう。

のどが渇いたと感じなくても、意識的に水分補給することが大切です。

体温を下げるには体を休めることも重要です。体力が回復すると、熱中症のリスクも下げられます。

通気性の良い服やファン付の上着を着る

空調服の写真

体温の上昇を防ぐには、風を活用するのも一つの方法です。風速が1m増すと体感温度が1℃下がると言われているからです。

例えば通気性の良い服は、風が体に当たることで熱を奪っていくためおすすめです。

また作業をする際は、ファンがついている空調服の着用が推奨されます。

熱がこもりやすい服の中に空気の流れが生まれるため、効率的に体を冷やせます。

塩飴など塩分があるものを食べる

体温が高くなると汗をかきますが、この際水だけではなくナトリウムも体から失われてしまいます。

そのため、水分と同時に塩分を摂ることも重要です。

夏場の太陽光発電所の脱水の危険性を紹介した画像

体からナトリウムが失われると体内のナトリウム濃度が上昇しますが、この際、塩分の入っていない水分を摂るとのどの渇きは収まります。

しかし、ナトリウム濃度が元には戻っていないのに口渇感はおさまってしまうため、自発的脱水を起こしやすくなるのです。そのため、塩分を摂ることは、水分を摂るのと同じように大切なのです。

リープトンエナジーの太陽電池モジュールは発電効率が高いからおすすめ

太陽電池モジュールは製品によって変換効率が異なりますが、日本国内メーカーのモジュール変換効率は20%前後が目安とされます。

これに対して、リープトンエナジーの太陽電池モジュール「LP182*182シリーズ」の変換効率は22.2%〜23%となっており、高い数値を誇っています。

要因はいくつかありますが、新しい回路設計のN-typeMBBセルを採用している点が挙げられます。

従来よりも出力が10〜20W増加しています。

また、表面だけではなく裏面からでも発電できる両面ガラスモジュールになっているのも特徴です。光反射率が高く、片面発電より発電量が5〜25%増えることが期待できます。

まとめ

気温が高い真夏の太陽光発電の写真

太陽光発電設備を導入する際に、どのくらい発電量が得られるか気になるところですが、特に注意したいのが夏の暑さです。

太陽光発電に適しているのは半導体に使われているシリコンの性質により、外気温は25℃が適しているとされます。

そのため、夏の暑さ対策は欠かせません。

今回の記事では、暑さ対策として「発電効率の良い製品を選ぶこと」「最適角度および方角で設置すること」「メンテナンスや清掃をこまめに行うこと」について紹介しました。ぜひ参考にしてください。

なお、リープトンエナジーの太陽電池モジュールは夏の太陽光発電でもピッタリな、発電効率の優れた製品を揃えています。

全国各地で太陽光発電設備を設置している実績があり、地域の事情にも精通しています。

高温時でも効率よく発電できるような提案やアドバイス、助言もしていますので、ぜひご相談ください。

夏の太陽光発電所の高温対策についてまとめた記事のアイキャッチ画像

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この記事を書いた人

リープトンエナジー株式会社は、2012年に神戸市で設立した太陽光発電の総合システムメーカーです。
このブログでは、広報担当が太陽光発電に関するお役立ち情報を発信しています。

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