メガソーラーは儲かる?導入事例やメリット・デメリットを紹介
再生可能エネルギーの活用の場を広げるために、太陽光発電システムの中でも大きな出力を誇る「メガソーラー」の導入を検討している企業が増えてきています。
しかし、「太陽光発電の規模を大きくしても儲かるのか?」「デメリットもあるのではないか?」といった不安から、一歩を踏み出せずにいるケースも少なくないようです。
そこで本コラムでは、メガソーラーのメリット・デメリットや導入事例を詳しく紹介します。
また、そもそもの太陽光発電の仕組みやメリット・デメリットについて知りたい方は、下記記事も参考にしてみてください。
【一般的な太陽光発電と比較】そもそもメガソーラーとは
メガソーラーとは、出力(発電量)が1MW(1,000kW)以上の太陽光発電設備のことです。
太陽光発電は、その出力数によって以下の2つに区分されており、1MWのメガソーラーは産業用太陽光発電に含まれます。
住宅用太陽光発電 |
10kW 未満 |
産業用太陽光発電 | 10kW 以上 |
発電の仕組みは、太陽光発電の出力数に関わらず基本的には同じです。
しかし、1MW以上もの発電量が求められるメガソーラーでは、住宅用や一般的な事業用太陽光発電よりも広大な敷地や、大量の太陽電池モジュールの設置が求められます。
例えば、住宅用や一般的な事業用太陽光発電は屋根に設置されるケースが多い傾向にありますが、太陽電池モジュールの枚数が膨大になるメガソーラーは、広大な遊休地などに設置されることがほとんどです。
メガソーラーは儲かる?導入するメリット・デメリット
メガソーラーの導入にあたっては、メリット・デメリットの両面を正しく理解した上で検討する必要があるでしょう。
そこでここからは、メガソーラーのメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。
メガソーラーを始めるメリット4選
メガソーラーの導入によって得られる主なメリットは、以下の4つです。
- 売電額が大きい
- コスト削減量が大きい
- 広大な遊休地を有効活用できる
- CO2の削減規模が大きい
売電額が大きい
前述したとおり、メガソーラーは1MW以上もの出力を誇る発電設備です。そのため、メガソーラーによって得られた電気を売電した場合には、必然的に一般的な太陽光発電より売電収入が多くなります。
出力数を問わず、太陽光発電で得られた電気は「固定価格買取(FIT)制度」または「FIP制度」によって電力会社に売電可能です。
FIT制度におけるメガソーラーの固定買取価格は、住宅用や一般的な事業用太陽光発電に適用される単価と異なり、入札で決まります。
例えば、2025年度の地上設置250kW以上の固定買取価格は8.98円/kWhです。これを「出力1MW(年間発電量約120万kWh)の施設に当てはめて考えると、年間の売電収入は約1,080万円です。
さらにFIT制度、事業用太陽光発電の買取期間は20年間とされているため、長い期間安定的に収入が得られます。
参考:経済産業省資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2024年度以降)
<用語解説>
・固定価格買取(FIT)制度
電力会社が、太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電した電気を「一定期間」「一定価格」で買い取ることを国が約束する制度
・FIP制度
FIT制度のように固定価格による買い取りではなく、売電時の売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せする制度
コスト削減量が大きい
メガソーラーで得られた電気の活用方法は、売電だけではありません。電気の自家消費も可能です。
発電量が多いメガソーラーでは、一般的な事業用太陽光発電よりも多くの電気を活用できます。特に今のように電気代の高騰傾向が続く状況下での自家消費は、電気代の削減に大きく貢献するでしょう。
広大な遊休地を有効活用できる
メガソーラーは、広大な遊休地の有効活用に悩む企業にとっては救いの一手となるかもしれません。
郊外で交通の利便性が問題になるような土地でも、発電が目的であれば設備の設置・運用に大きな支障はないでしょう。
売れずに固定資産税を払い続けていた土地が、売電収入を生む設備へと生まれ変わります。
CO2の削減規模が大きい
太陽光をはじめとする再生可能エネルギーによる発電では、CO2の排出がほとんどありません。そのため、再生可能エネルギーによる発電割合が拡大すれば、日本国内の発電所が排出するCO2排出量の削減につながります。
経済産業省の研究会によると、「1 MWのメガソーラーで削減できる CO2 の量は年間 662 t」とのことです。
このようにCO2の削減規模が大きいメガソーラーには、CO2排出量の多い火力発電への依存からの脱却を目指す発電方法としての期待が寄せられています。
さらに、地球環境に配慮した経営は、企業価値の向上にもつながるでしょう。
メガソーラーに問題や危険性はある?デメリット4選
メガソーラーの導入効果を正しく検討するためには、メリットだけでなく、デメリットも把握しておくことが大切です。
メガソーラーの導入における主なデメリットは、以下の4つが挙げられます。
- 初期費用が一般的な太陽光発電より高い
- 場合によっては森林伐採などで環境破壊につながる
- 住民トラブルによって設置を断念するケースもある
- 太陽光発電設備の窃盗被害を受ける可能性がある
初期費用が一般的な太陽光発電より高い
経済産業省によると、メガソーラーの平均システム単価は19.2万円/kWです。つまり、設備容量1MWのメガソーラーを導入する場合、約1億9,200万円の初期費用がかかることになります。
また、50kW以上の太陽光発電では電力会社と高圧連系の契約を結ばなければならず、これに伴って高圧受電設備費用や高圧発電所の設置協議費用なども必要です。
参考:経済産業省 太陽電池発電設備を設置する場合の手引き
参考:経済産業省調達価格等算定委員会 令和6年度以降の調達価格等に関する意見
場合によっては森林伐採などで環境破壊につながる
メガソーラーでは大量の太陽電池モジュールを設置しますが、平地が少ない場所に導入する場合、設置スペースを確保するために周囲の森林を伐採することもあるでしょう。特に大規模な土地開発を伴う場合、森林消失による自然環境や生態系の変化が懸念されます。
環境への影響を最小限に抑えつつメガソーラーを導入するためには、厳格な環境アセスメントの実施が必要です。
<用語解説>
・環境アセスメント
開発予定地の環境に悪影響を与えないために、事業者自らが調査を実施したり、外部からの評価を受けたりしながらより望ましい事業計画を作成すること。「環境影響評価」とも呼ばれる。
住民トラブルで設置を断念するケースもある
「メガソーラーによって騒音や光害などが引き起こされた」といったような住民トラブルも起り得ます。裁判に発展したり、企業がメガソーラーの設置を断念したり…といったニュースを耳にしたことがある方も少なくないでしょう。
こうしたトラブルを防ぐためには、騒音や光の反射が少ない設備選びはもちろんですが、住民との細やかなコミュニケーションが有効です。
積極的に地域活動に参加するなど、相互理解を深める姿勢を示すよう心がけましょう。
太陽光発電設備の窃盗被害を受ける可能性がある
近年、太陽光発電設備の窃盗被害が深刻化しています。特に、近年価格が高騰している銅を利用したケーブルが狙われやすい傾向にあるようです。
太陽光発電協会によると、被害は「夜間、人が近づきにくい設置環境で、中規模から大規模の発電設備に多く見受けられる」とのことです。また、同協会はこれを受けて、以下のような対策を推奨しています。
- 露出配線はなるべく避ける
- フェンスやロック、監視システムなどの導入
- 見回りや常駐など人手の配置
- 近隣住民との協力体制
参考:一般社団法人太陽光発電協会 太陽光発電設備のケーブル盗難対応について(注意喚起)
メガソーラーの導入事例
最後に、メガソーラーの導入事例を紹介します。ぜひ、検討の参考資料としてお役立てください。
埼玉県所沢市の導入事例
埼玉県所沢市は、エコタウン創生の一環として「マチごとエコタウン所沢構想」を想定し、市が主体となって再生可能エネルギーの導入を進めています。そしてそのシンボルともいえる施設が、一般廃棄物最終処分場において事業化した出力1.05MWの「メガソーラー所沢」です。
自治体が運営主体となり、啓発施設を併設することで環境教育や再生可能エネルギーの普及推進を促すだけでなく、建設や維持管理の一部に地元企業にも参画してもらうことにより、地域経済への貢献も図られています。
参考:所沢市 メガソーラー所沢(とことこソーラー北野)発電中!!
三重県津市の導入事例
三重県津市は、「津メガソーラー杜の街」「メガソーラはぎの」「メガソーラー江戸橋発電所」と複数のメガソーラーの導入事例を持つ自治体です。どの施設においても事業開始段階から現在に至るまで、地域住民との密なコミュニケーションを欠かさず、共生に成功しています。
非常時における地域住民へのバッテリーによる電源無償提供や、防眩性・耐久性に優れた太陽電池モジュールの採用など、お手本になる取り組みが数多く取り入れられています。
当社(リープトンエナジー)の導入事例
リープトンエナジーは、数多くのメガソーラー導入実績を持つ日本生まれの太陽電池モジュールメーカーです。例えば、徳島市阿南市では野立てタイプの1.89MW、香川県高松市では水上タイプの2.8MWなどの導入事例があります。
また、国内にとどまらず、インドやカザフスタンをはじめ海外でも多数の実績を重ねています。ご興味がある方は、ぜひ以下よりご確認ください。
また当社では、自社の資材とノウハウを活かし、全国に自社発電所を建設しています。メガソーラーも複数の実績があります。
まとめ
1MW以上の出力を誇るメガソーラーは、広大な遊休地を持つ企業にとって、経済的面でも企業ブランド面からも大きなメリットをもたらす可能性のある太陽光発電施設です。
一方で、地域や環境、防犯面では細やかで厳密な対応が求められるため、導入にあたってはメガソーラーの建設実績を豊富に持つ専門家のサポートが欠かせません。
神戸発祥のリープトンエナジーは、メガソーラー建設に優れた資材を提供している太陽電池モジュールメーカーです。
世界の第三者認証機関「Tier1」や「PVEL」などに認められる高品質な製品を、日本ならではの細やかなサービスでお届けします。
メガソーラーをご検討中なら、ぜひ一度ご相談ください。