太陽光発電の全量売電と余剰売電の違いは?今後の傾向についても解説


自宅の太陽光発電で全量売電できる?
太陽光発電で売電する方法には、「全量売電」と「余剰売電」の2つの方法があります。
それぞれ売る電気の量や運用方法、利用可能な条件に違いがあるため、どれが利用できるかわからないという方も多いでしょう。
本記事では、太陽光発電の売電方法である「全量売電」と「余剰売電」の違いについて詳しく解説します。
また、売電収入を高く保つ方法についても解説しているので、是非参考にしてみてください。
全量売電と余剰売電の違いは主に売電する電気の量


発電した電気を電力会社に売却する場合、「全量売電」と「余剰売電」の2つの方法があります。
全量売電 | 太陽光発電で発電した電力を全て売ること |
---|---|
余剰売電 | 自家消費して余った電力を売ること |
全量売電は50kW以上の産業用など大規模な太陽光発電の場合、余剰売電は10kW未満の住宅屋根などの小規模な太陽光発電で利用されます。
全量売電は発電した電力をすべて売るため、余剰売電と比べ売電収入自体は高くなります。
ですが、昨今の電気代高騰なども受け、発電した電気を自家消費し残った電気を売る余剰売電の方が、結果的に得をするケースも多くなっています。全量売電に興味がある方は、自家消費も検討することが大切です。


ここからは、全量売電と余剰売電のそれぞれの特徴について解説します。
全量売電とは太陽光発電で発電した電力を全て売ること
全量売電とは、太陽光発電設備で発電した電力をすべて電力会社に売電することです。
発電量が安定していれば、安定的な売電収入が見込めるため事業計画が立てやすいというメリットがあります。
ただし、発電した電力をすべて売電するため、使う電気は電力会社から購入する必要があることがデメリットです。
全量売電ができるのは、2021年から設置容量が50kW以上の発電設備のみとなっています。
また、250kW以上の場合は入札制です。
余剰売電とは自家消費して余った電力を売ること
余剰売電とは、発電した電力を自家消費し、余った分を電力会社に売電することです。
電気代削減になることはもちろん、電気代の変動に影響を受けにくいことから、住宅屋根へ設置する際におすすめです。
一方で、余った電気のみを売電に回すため、売れる電力が少なくなるのがデメリットです。
なお、10kW以上50kW未満の太陽光発電設備は、「地域活用要件」として自家消費比率を30%にするという条件が2020年から加えられています。
全量売電と余剰売電の現状は?今後の傾向も紹介


全量売電と余剰売電は、誰でもどちらか選択できるというわけではなく、条件によって利用できないケースも多くあります。
原則として、2020年以降に設置した50kW未満の設備は余剰売電しかできません。
50kW以上の設備の場合はどちらかを選ぶことができますが、電力の自家消費量(それに伴う電気料金削減量)やその時の売電価格などによって判断が分かれることになります。
産業用太陽光発電は全量売電か自家消費、住宅用太陽光発電は余剰売電か自家消費になると考えておくといいでしょう。
2025年の売電単価
電力の売電価格や調達期間は、必要となるコストをベースにして定められます。
以下は、調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」(2025年4月)において取りまとめられた2025年度の1kWhあたりの調達価格です。
売電方式 | 余剰売電 | 余剰売電or全量売電 | ||
---|---|---|---|---|
太陽光発電の設備容量 | 10kW未満 | 10kW以上(屋根設置) | 10kW以上50kW未満 | 50kW以上(地上設置、入札制度対象外) |
固定買取期間 | 10年間 | 20年間 | 20年間 | 20年間 |
2025年度(4月〜9月) | 15円/kWh | 11.5円/kWh | 10円/kWh | 8.9円/kWh |
2025年度(10月〜2026年3月) | 24円(~4年) 8.3円(5~10年) | 19円(~5年) 8.3円(6~20年) |
認定を受けることで買取価格が適用されるため、初期費用の回収を短縮することが可能です。
投資費用の回収目安にも注意
資源エネルギー庁の「太陽光発電について」によると、10kW以上の太陽光発電設備(屋根置き)の2024年の設置費用は、1kWあたり25.9万円です。
50kWの太陽光発電設備を設置すると、約1,295万円の初期費用が必要と計算されます。
また、50kW以上の設備は高圧受電契約が必要で、「キュービクル」の設置や「電気主任技術者」の選任など管理にコストと手間がかかる上、半年間に1回以上の点検・メンテナンスが義務付けられています。
特に産業用太陽光発電の場合、これらの投資費用を適切に回収できる発電計画と売電計画を基に考える必要があります。
全量売電か自家消費のどちらを選ぶかで、回収スピードはもちろん、最終的に回収できる金額も異なります。
昨今の電気代高騰に伴い、全量売電は少なくなり、自家消費が推奨される傾向にあります。
太陽光発電の売電収入を高める方法はある?効率よく発電する方法を解説


太陽光発電の売電収入を高めるには、発電量を増やして売れる電気の量を多くする必要があります。
自家消費の場合でも、節電をして発電量を高く保つことが基本です。
発電量を上げるには、発電効率の高いモジュールに買い替えるなどの方法があります。
その他、発電効率の低下を防ぐために定期的なメンテナンスも欠かせません。
ここでは、効率的に売電収入を得るための具体的な方法を紹介します。
発電効率の高い太陽電池モジュールを導入する
太陽光発電設備を導入する場合、発電効率の高い太陽電池モジュールと、低い太陽電池モジュールでは発電量に差が出ます。
発電効率の高い太陽電池モジュールであれば発電量が多くなるため、売電収入が多く得られることになります。


リープトンエナジーの太陽電池モジュールは、発電効率の高さはもちろん、様々な認証を取得しており品質に自信があります。
また、無料の発電シミュレーションで、導入前に発電量を比較することも可能です。
売電収入を高めたいと考えている方は、このような点にも注目して確認してみましょう。
定期的なメンテナンスで安定した発電量を保持する
太陽電池モジュールは屋外に設置されるため、汚れや破損などにより発電量が低下する可能性があります。
発電量が下がるとその分売電収入が減ることになるため、定期的なメンテナンスで発電量の低下を防ぐようにしましょう。
専門業者では、パネルのひび割れ、変色、配線の緩みといった劣化や不具合を早期に発見するための定期的な検査を請け負っています。不具合がある場合、適切な修理や交換を行うことが重要です。
また、太陽電池モジュールの表面には鳥のフンやほこり、花粉などの汚れが付着しやすいため、それに伴い発電効率が低下する懸念があります。そのため、定期的な清掃も必要です。
発電量を低下させないためには、モニタリングを行うこともおすすめです。
発電量を記録・分析することで、急激に低下した際にも迅速に対応できます。発電量が低下している期間を短くすることができるため、売電収入の下落を最小限に抑えることができるのです。
なお、全量売電の対象となる50kW以上の太陽光発電設備は、法律で年2回以上の定期点検が義務付けられています。
【ポイント】補助金の活用で初期費用を抑えて効率的に売電する
売電収入を高く保つためには、モジュール選びや保証の長さなど、メーカーにこだわって選ぶことが大切です。
しかし、そうすると初期費用が高くなり、メンテナンスなどに費用をかけられなくなる可能性があります。
そのため、太陽光発電設備を導入する際に補助金を活用して初期費用を抑えることから始めましょう。
- 経済的な負担が軽減されるため投資資金を早期に回収できる
- グレードの高い太陽電池モジュールを導入できる
- 点検やメンテナンスにコストがかけられる
太陽光発電の導入の初期費用を抑えることで、最終的に元を取るまでの期間を短くすることもできます。
また、効率よく売電収入を得るには、保証期間が長い太陽電池モジュールを選ぶのもポイントです。故障などの際の費用負担が軽減されるからです。
太陽光発電設備の保証は「製品保証」「出力保証」「自然災害補償」「施工保証」などがあり、一般的な保証期間は10年間ですが、15年以上のケースもあります。
太陽光発電設備は20年以上使い続けるため、できるだけ保証期間が長い製品を選ぶようにしましょう。
まとめ


太陽光発電の「全量売電」「余剰売電」について解説しました。
そのため、全量売電を希望する場合は、50kW以上の太陽光発電設備を設置する必要があります。
どちらが得になるかは、発電量や自家消費量、初期費用および点検・メンテナンスといったランニングコストなどによります。様々な条件によって異なるため、発電シミュレーションをするのがおすすめです。
リープトンエナジーでは、無料で発電シミュレーションをお出しすることが可能です。
「全量売電」「余剰売電」などを含む、太陽光発電設備のあらゆることについても相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
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